様々な通貨制度について
こんにちは。ご質問、ありがとうございます。
返信が遅くなりまして、申し訳ありません。
通貨バスケット制と共同フロート制は、全く違う制度なので、それぞれについて説明しますね。
通貨バスケット制度に関しては、2010年の日経新聞に良い記事があります。そちらから引用をしながら説明をしていきましょう。
【以下、引用】
Q 通貨バスケット制とはどんな制度か?
A 通貨の交換価値を決める際に、複数の通貨を入れた「バスケット」を想定し、それを1つの通貨と見立てて交換レートを算出する方式。バスケットに入れる通貨とその比率は自国との貿易量などを参考に決めるケースが多いようだ。
Q どのように交換価値が決まるのか。
A 例えば、人民元のバスケットをドル70%、ユーロ20%、円10%の比率で構成したとする。ドルが対ユーロで5%、対円で10%下落した場合、ドル換算すればユーロは約5%、円は同約10%の「値上がり」になる。各通貨の構成比率を勘案してバスケットの中身をドル建てで合計したものが新たな「人民元の対ドルの交換価値」で従来より約2%増える=「切り上がる」計算となる。
【引用終わり】
引用元URL:https://www.nikkei.com/article/DGXDZO09646460S0A620C1FF2000
このように自国通貨の価値を計算する際に、複数の通貨の価値をそれぞれの比率で入れるのが、通貨バスケット制ですね。
これとは別に、共同フロート制とは、一つの経済圏を形成している諸国が、域内通貨間では特定の為替レート変動幅を維持しつつ、域外通貨に対しては共同してレートを変動させる制度をいいます。
これはもともとECで採られていた方式ですが、フランス、オランダ、西ドイツ、ベルギー、ルクセンブルク、デンマークの6ヵ国と、準加盟国のスウェーデン、ノルウェーの中では、固定相場になるように、域外通貨に関しては、これら8ヵ国の変動幅が同じになるように為替介入を行う、というものです。要は、「フランスの通貨であったフランが円に対して2%値上がりしたら、他の通貨も2%値上がりするように為替介入しましょう」というものです。
で、最後の管理フロート制というものは、「通貨当局(日本でいえば、日銀)が、必要に応じて裁量的に為替相場に介入する制度」です。一応、IMFでは、管理フロート制を「通貨当局が、特定の為替レート目標をもたずに、必要に応じて裁量的に為替レートに影響を及ぼそうとする為替制度」と定義しているようです。
なので、普段の為替相場は需要と供給に任せているけど、日本銀行が「お。少し円高になりすぎたな。」と思えば、円売りの為替介入をし、「少し円安になりすぎたな。」と思えば、円買いの為替介入をする、という感じで考えてもらえれば良いのではないでしょうか。
ご質問、ありがとうございました。また何か分からないことがあれば、ご質問ください。
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