JSNA(国民経済計算)の2008SNAへの対応について
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
与えられた情報だけからの回答になりますが、その切り口は違うと思います。
問題は「何を意味するのか?」と問うているのに対し、貴方の解答は「1993SNAだと経済状況が違う」という理由(経緯)的な説明をしようとしておられます。
「これはどういうことを意味するの?」という問いに対して、「~だからです。」と答えたのでは、問われたことに対して回答できていないですよね?
なので、ここは素直に「JSNAが2008SNAに対応するということは、どういうことを意味するのか?」を記述すべきではないかと思います。
2008SNAは2009年に国際連合で合意された国民経済計算の最新の国際基準です。以前の1993SNAから広範な事項について変更がなされました。「なぜ変更されたのか」というと、1993SNAの時から様々な経済状況の変化があったからなのですが、これは「世界規模」での変化です。日本だけの変化ではありません。
そして、日本の統計法第6条にはこう書かれています。
「内閣総理大臣は、国際連合の定める国民経済計算の体系に関する基準に準拠し、国民経済計算の作成基準(以下この条において単に「作成基準」という。)を定め、これに基づき、毎年少なくとも一回、国民経済計算を作成しなければならない。」
では、なぜ統計法第6条は『国際連合の定める国民経済計算の体系(SNA)に関する基準に準拠し、』と書いているのでしょうか?
これは国民経済(GDPやGNIなど)の国際比較を容易にするためだと思われます。日本国憲法前文で国際協調主義を謳っている日本が、国際社会の足並みを乱すことは絶対にやってはいけないことです。なので、国連の定める基準に従いましょう、ということでしょう。
日本が2008SNAに対応したのは、平成28年に行われた平成23年基準改訂(最新の国民経済データを反映し、過去20数年程の統計を再推計しなおすこと、そしてその再推計の基準年を平成23年にすること)においてです。
平成23年は西暦でいうと2011年です。先進国は大体2009年~2014年までに2008SNAに対応しているので、2011年基準の統計から2008SNAに対応するというのは、自然なことであると考えます。
では、以前の1993SNAから最新の2008SNAに対応するということは、どういうことを意味するのか?
これは、難しく考えずに「GDPやGNIを算出する基準が変わる。」という答えで良いのではないでしょうか?計算基準が変更されるので、そこから算出されるGDPやGNIが変わってきます。頂いた質問では何文字程度で記述すればよいのかはわかりませんが、文字数に余裕があるのならば、ここまで書いても良いのかも知れません。
現に平成28年11月30日に内閣府が公表した書類では、
これまでの1993SNAで計算した2011年のGDPは471.6兆円
最新の2008SNAで計算した2011年のGDPは491.4兆円
と19.8兆円の開きがあります。
このように、計算基準が変わってくると、これまで認識された数字が変わってきますので、そういったことを答えてあげればよいのかなぁ、と思います。
ご質問ありがとうございました。更に詳しい部分の質問等があれば、またメッセージをください!よろしくお願いします。
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