共産主義と社会主義の違い

こんにちは!ご質問ありがとうございます。


これは、かなり難しい質問ですね。それは何故かというと、「共産主義」と「社会主義」は同じ意味で使われる場合もあれば、違う意味で使われる場合もあるからです。


まず、共産主義について、ご説明いたしましょう。


共産主義の特徴は、基本的に「社会主義」の項で習ったことと考えていただければ結構です。


①生産手段の公有(私的所有の禁止)

②計画経済


ですね。これらによって、生産手段を所有した「資本家」がいなくなり、全員が「労働者」となって働き、全員が作ったモノを全員で平等に分ける社会を作る、と。


で、マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』を書いた時、「社会主義」と「共産主義」を明確に区別されていました。エンゲルスが書いた『共産党宣言』ドイツ語版の序文では、「1847年には、社会主義はブルジョア(中産階級)の運動を意味し、共産主義はプロレタリア(無産階級)の運動を意味した」とあります。


空想的社会主義者と呼ばれている、フーリエやオーウェンなどの運動は、「資本家」という経済力をつけた市民階級(ブルジョワジー)による運動ですよね。ですので、1847年当時で言えば、これが社会主義です。


これに対して、マルクスは「労働者」による暴力革命での社会変革を主張しています。これは、共産主義です。


ですので、1847年当時は、中身は似通っていても、「誰が運動を行うか」で「社会主義」と「共産主義」が区別されていたようですね。


ただ、これがだんだんと「社会主義」=「共産主義」になってきます。

それは、1875年にマルクス派とラッサール派の合同によってドイツ社会主義労働者党が創設された際のことです。マルクスはラッサール派によって書かれた綱領草案を厳しく批判する手紙を関係者宛に送りました。この綱領草案の中には、共産主義という単語は含まれていなかったにもかかわらず、マルクス自身は手紙の中で共産主義について語りました。


ここで、社会主義と共産主義が、ほぼ同義になったと考えたよいでしょう。

そして、後に社会主義と共産主義を明確に区別したのが、レーニンです。


レーニンは、共産主義の前段階として社会主義がある、と論じました。


レーニンによれば、

「共産主義においては、国家が生産手段を管理する必要がない。(その辺にある公共物を必要に応じて使うイメージですかね…)」


「ただ、今の資本主義から一気に共産主義に体制を変更すると皆が混乱するので、共産主義の前段階として、『生産手段を国家が管理する』状態(=社会主義)」を作る。


というものです。ただし、これはあくまでレーニンの考え方で、日本共産党は、この考え方を否定しています。(詳しくは、「日本共産党 共産主義 社会主義 違い」でググってください)


ということで、社会主義と共産主義は文脈によって、同じ意味にも別の意味にも使われます。また、社会主義や共産主義はあくまで大きな枠組みで、その中で個々の考え方が違っていたりするので、かなり複雑になるんですよね。


なので、大学受験のレベルでは、社会主義で統一してもらって差し支えないと思います。


ご質問、ありがとうございました。また何か分からないことがありましたら、ご質問ください。

質問への回答(後藤貴士)

質問箱へいただいた質問の回答をしようと思います。

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