空の思想について

こんばんは。ご質問、ありがとうございます。お返事が遅くなってしまいまして、申し訳ありません。


結論から申し上げますと、「空の思想は、無我の思想を補強するもの」と考えると良いでしょう。


よく、教科書などには「諸行無常の思想を更に発展させて、空の思想を…」などと書かれていると思います。(河合塾のテキストには、「縁起の法を徹底させて…」と書かれていますね。)


竜樹が空の思想を唱え、無我を更に徹底させたことは事実なのですが、実は、原始仏教と大乗仏教では、前提とする世界観が違うのです。(例えば、原始仏教では、無常・無我・1里繋の法は別々のものでしたが、初期大乗仏教になると、それらが一緒くたになったような考え方も見受けられます。)


ただ、これ以降のことは大学で研究するレベルなので、私も詳しい説明は致しかねます。(私は、仏教の専門家ではないので…。)


なので、教科書やテキストには「より徹底させて…」という書き方をしているのでしょう。大学入試レベルでは、それで十分だと思います。


なので、大乗仏教の竜樹が唱えた空の思想は、無我の思想を補強するものと考えていただいてよいですが、前提となる考え方が少し違うため、完全に重なるものというと、語弊が生じてしまうでしょう。


ご質問、ありがとうございました。

質問への回答(後藤貴士)

質問箱へいただいた質問の回答をしようと思います。

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