WTOでの中国の扱い

こんにちは。ご質問、ありがとうございます。


もともと中国は発展途上国でした。それが近年めざましい発展を遂げ、「技術的には」先進国の仲間入りをしてきたように思えますね。(残念ながら、人権保障などの分野においては世界最下層の国だと思っていますので、「技術的には」の一言を付けさせてください。)


で、なぜWTOで中国が発展途上国扱いを受けているかというと、単に見直しがされていないだけなのです。


これは、中国にとって有利に働いていて、中国が途上国扱いを受けている限り、「先進国に課されるルール」は、中国には課されません。


要は、先進国並みの経済活動を行っておきながら、ルールの緩さ的には途上国の緩さで立ち回ることができる訳です。


ただ、さすがに他の国も「中国が未だに発展途上国扱いなのはおかしいだろう?」と思っているようで、2019年にオーストラリアが「WTOで中国を発展途上国扱いするのはオカシイ!見直そう!」と主張しています。


これに対して、中国は自国の途上国扱いの見直しに反対しており、(つまり、これからも発展途上国として中国を扱え、ということ)オーストラリアの牛肉や大麦、石炭などの輸入品に制限をかけるなど子どものような措置を採っています。


このような経過を辿っていますが、WTOでの中国の扱いは、まだ途上国のままです。


詳しくは、外務省のこちらをご覧ください。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/page24_000997.html


こういったことが許されている限り、もう国際機関の役割は終焉しているのかも知れませんね。

質問への回答(後藤貴士)

質問箱へいただいた質問の回答をしようと思います。

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