ヤスパースについて
こんにちは!ご質問、ありがとうございます。
質問を拝見していると、基礎的な用語は頭に入っているようですね。なので、今回はエピソードを使って、それぞれのキーワードをつなげてみたいと思います。
ヤスパースの夫人はユダヤ人でした。
彼が生きた時代は、ちょうどナチスが台頭してきた時期でもありますので、ヤスパースは夫人との離婚を迫られます。
しかし、ヤスパースはそれを拒否し、大学教授の職を追われてしまいます。
このエピソードが調度ヤスパースの考えにあてはめることができるのではないか、と思います。
つまり、、、
・「夫人と別れろ。さもなくば、大学にはいられないぞ」←苦悩(限界状況の1つ)
↓
・苦悩の中で、ヤスパースが頼ったのは、神(包括者または超越者)でした。神を通じて自分の考えを整理し、自分とは本来どんな存在であるのか(実存)に目覚めていくわけです。
↓
・ヤスパースは自分の信念に基づいて「夫人とは別れない」という選択をしました。結果として、大学教授の職を追われましたが、彼は後悔していません。なぜなら、人間同士互いに主義・主張の違いからぶつかりあわなければならない時があることがわかっていたからです。真の実存に目覚めた人々が互いを認め合いながらも、自分の主義・主張に従って時にはぶるかる。これが「愛しながらの戦い」なのです。
ヤスパースは、有神論的実存主義なので、キルケゴールと似ていますね。(ちなみに、キルケオールは包括者、超越者などでなく、「神の前に単独者(←人間の側)として立つ」でしたよね。)
ニーチェ、ハイデッガー、サルトルは無神論的実存主義なので、立場的にはキルケゴール、ヤスパースとは別になると思います。
ご質問、ありがとうございました。また、何かわからない点があれば質問をください。よろしくお願いします。
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